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プレセミナー

2015年6月19日(金)

プレセミナーとは pre-conference seminar の略で、J-SOLのために海外から来日するソリューショニストから学ぶ機会を大会前日に提供するものです。大会中の分科会は90分枠ですが、プレセミナーはたっぷり3時間枠ですので、各ゲストが提供してくれるSFのユニークな応用法に関して、より詳しく学べる機会となります。

J-SOL初参加でスウェーデンから来日するニクラス・タイガーさん & ペニラ・フォールスバーグ・タイガーさんご夫妻は、午前中にニクラスさんがメインで「丸ごと“SF inside”なIT企業Hi5」という自社のSF成功事例を紹介してくださいます。そして、午後はペニラさんがメインで「ソリューションフォーカスで職場をいきいきとした場所に!」というSF式従業員満足度調査の活用法ワークショップを提供してくださいます。

一昨年から連続3回目の来日となるイタリア系スイス人のマルコ・ロンザーニさんは、「葛藤をリソースに変容させるSF調停」という、J-SOL6で人気のあった分科会の内容をさらに実践的に掘り下げるワークショップを提供してくださいます。

どのワークショップも逐次通訳がつきます。通訳付きのワークショップは、聞きながら考える間も持てるので、スローなようでいて案外ちょうど良いテンポになるとおっしゃる方が多いです。国内ではなかなか接することができない多様なソリューショニストに触れ合うことで、自分のユニークさを逆照射されることもあります。「お互いの違いから学ぶ」というのはソリューショニストにとって根本的に重要な資質です。異文化の人たちと直接接する機会に参加することは、同文化の人たちと一緒にいる日常では体験できないレベルの「違い」を直接体験するチャンスです。

あるJ-SOLリピーターの方が言っていました。「海外から来るソリューショニストたちのセミナーは、言葉で話される部分でも、それ以外の部分でも日本人とは全く違った発想から発しているものがあるので、毎回ワクワクします♪」

J-SOLの重要な特徴の一つは、違いを友好的に受けとめ合い、学び合おうとする文化ですので、プレセミナーにおいても交配学習 (cross-fertilization*) を体験していただきやすい場づくりを心がけております。J-SOLおよびプレセミナーでの出会いが、皆様にとって意味深いものとなりますよう心より願っております。

* (注) cross-fertilization:
(生) 異花受粉。転じて、違う背景、価値観、専門領域、性格、役割、他を持つ人間同士が出会った時に、違うが故に価値ある発見をしたり創造エネルギーが増すこと。

株式会社ソリューションフォーカス
代表取締役 青木安輝

お知らせ

マレーシアから来日予定だったアレックス・タンさんは、ご自身の都合により来日を断念せざるを得ない状況になってしまいました。
大変申し訳ございませんが、タンさんが講師を務める予定だったプレセミナーおよび大会中の分科会は中止とさせていただきます。

プログラム

Pre1 丸ごと“SF inside”なIT企業Hi5 (ハイファイブ)
ニクラス・タイガー
ペニラ・フォールスバーグ・タイガー

スウェーデンのIT企業Hi5は2012年から“SF inside”化を開始し、柔軟性に富み、顧客の要望を素早く取り入れるアジャイル性を高め、以前より成功している会社に変化しました。
従業員、顧客、経営パートナーの全てにとって好ましい変容を遂げたのです。このセミナーでは、SFをHi5に取り入れてきたプロセス、そして今日実際にどのような効果を生みだしているのかを、経営者である私 (ニクラス) からライブに皆さんにお伝えいたします。

<Hi5におけるSF導入例>
1. SFでビジネスプランをつくる:
普通の企業のビジネスプランは、役員会の中でまず方向性が決定されます。そして社長と役員のチームでその決定された方向に向けて何をどのように達成するかのプランが練られます。その過程では問題志向なツールが使われるので、リーダーたちは正しい答えを持っているのは自分たちであるというスタンスを取ります。Hi5では、これをひっくり返しました。従来のビジネスプランニングツールにソリューションフォーカスのツールを組み合わせて活用し、スタッフ全員を巻き込んでビジネスプランを創ります。
2. SFで会議を改善:
SFの基本的なツールを使うことにより、Hi5のスタッフは会議をより効率良く、より良い結論に至るものに改善してきました。問題についての果てしない議論に費やしてしまいがちだった時間を、目指す地点とそこに至るための具体的な行動について話す時間に変えたことで、ビジネス上の成果にすぐにつながるようになりました。
3. SFでより効率良く解決を導く:
Hi5において創造性は以前から高いレベルで発揮されていて、問題に対する新しいアイデアや解決を生み出していくことはHi5の企業文化の重要な一部でした。そこにSFが導入されたことによって変わったのは、それらが生み出されるスピードが速くなり、より小さな努力でも成果に結び付けられるようになったことです。
4. SFでインスパイアされた商品開発:
Hi5が顧客からのフィードバックをどのように回収し、新しい要求をどのように受け取り、新しい商品の開発に関してどのような優先順位をつけるのかを紹介します。50以上の顧客に集まってもらって、同時に情報を提供していただき、それらを整理する私たち独自の方法を創りあげました。
5. SFで営業力アップ:
Hi5の営業担当者は全員SFのトレーニングを受けて、顧客との会話の中でSFツールを使えるようにしています。そして、効率よく顧客が望むものを明確にすることができるようコミュニケーション力を磨いています。SF会話を導入してから、私たちの方から「御社が必要とするのは・・・」 というフレーズを使うことがなくなりました。代わりにお客様の方から何を必要としているか教えてくれます!
6. ISOの要件を満たすのに役立つSF:
ISO9001 (品質基準) で認証されているので、毎年顧客満足度調査を実施してお客様が何を望まれているのかを調べることが義務づけられています。SFを活用することで、そのやり方と質を変えることができました。SFの要素を取り入れたことで、顧客ニーズを受け取る対話がしやすくなり、改善することが常態となりました。
7. 従業員の成長に役立つSF:
管理職が従業員に対して改善要望する内容を伝えるような評価面談は、Hi5においてはもう行われていません。SFツールを活用して従業員が自分で自分自身を成長させるプランを開発するようなSFコーチング面談が実施されています。その結果、従業員の中から解放されて出てくるパワーには目を見張るものがあります!
8. ハイドラを飼いならす:
Hi5におけるSFプロジェクトでもっとも成功感が大きかったのが、この「ハイドラを飼いならす」とネーミングしたプロジェクトです。“ハイドラ”とはギリシャ神話に出てくるモンスターのことです。絶望的に困難な問題を含んでいるので、もう解決することなどないのではないかと思われたプロジェクトにつけられた名前です。それを解決しようとした試みは何度も失敗に終わっていました。ところがSFを応用してみると、まったく想像すらできなかったような短い期間でそれを解決することができたのです!怪獣ハイドラを飼いならすことができた成功体験は私達にとって最高のもので、スモールステップがいかに重要であるかを骨の髄まで染み込むように理解できました。

このセミナーでは以上の様々な具体的事例を皆様にお伝えして、私達の会社がどうやって丸ごと“SF inside”になってきたか、そしてそれによってどのような成果があり、会社の発展につながっているのかを共有させていただきたいと思います。皆様からの様々な質問やコメントをいただくのを楽しみにしています。

私に最初にSFを紹介してくれたのは、サイコロジストである妻のペニラです。そしてHi5で最初に従業員向けに実施したSFプロジェクトは、彼女が創ったSF式従業員満足度調査とその結果を活かした改善フォローアッププログラムでした。今回はペニラの視点からHi5の変容がどう見えているかも皆さんにお伝えすることで、より多面的な共有が可能になるでしょう。

また、私が自社を丸ごと“SF inside”にしようと決断したもっとも直接的なきっかけは、2011年のSOL国際大会でAoki-san (青木安輝) の講演を聞いたときです。100年の歴史を持つ日本のZACROS (藤森工業株式会社) という会社が“SF inside”を目指して創りだしてきた変化は、とてもインスパイアリングでした。そのお話しを聞いて、うちの会社も絶対変わることができると思いました。今回日本でそのZACROS社の皆さんにお会いすることができるのも大変楽しみにしていることの一つです。

ソリューションフォーカスを会社経営に役立てようと日夜奮闘されている日本の皆様と、お互いに役に立つ意見交換をさせていただくのをペニラ共々大変楽しみにしています。
プレセミナーでお会いしましょう!

ニクラス・タイガー Niklas Tiger (スウエーデン)

Hi5 創立者 & 経営者

ニクラス・タイガーさんは、Hi5 (ハイファイブ) 社の共同経営者です。Hi5はスウェーデン北部で様々な組織や企業にIT関連のインフラ整備サービスおよびクラウドベースのソリューションを提供しています。タイガーさんは1990年代初頭よりIT業界で活躍し始め、1996年からは管理的なポジションにつくようになりました。2002年にHi5の共同創業者となり、以来会社は発展し続け、現在では40名ほどのITプロフェッショナルスタッフを抱えて、スウェーデン北部における主要なITシステムインテグレーターとしての地位を築いています。

タイガーさんは2011年にハンガリーでのSOL国際大会でSFを知り、2012年から管理職やプロジェクトリーダーのSFトレーニングを導入して、自社の“SF inside”化を開始しました。すぐにSFは自社の組織開発および顧客のチェンジマネジメントで効果を表すことがわかり、現在では社内で変化への対応が必要とされる場面では必ずSFが活用されています。また新入社員は必ずSF研修を受けることが義務づけられています。

ペニラ・フォールスバーグ・タイガー
Pernilla Forsberg Tiger (スウエーデン)

マインドリープ代表

ペニラさんは、もともと構造技術のエンジニアおよびプロジェクトマネジャーでしたが、一念発起してサイコロジストと産業コンサルタントの資格を取得しました。労働者の健康増進の領域で、心理の専門職としての仕事と管理的業務を数年間こなしてきました。

2010年にソリューションフォーカスを知ってからは、その応用を熱心に工夫するようになり、マインドリープという自分自身の会社を立ち上げ、スウェーデン北部でソリューションフォーカスを組織の中で活かす様々なサービスを提供しています。なかでも、従業員満足度調査をSF式に構成し、その結果を活用して職場を改善していく手法は大きな効果を上げており、現在さらなる展開を目指しているところです。

Pre2 ソリューションフォーカスで
職場をいきいきとした場所に!
〜終わりなき努力の継続を報いあるものにするために〜
ペニラ・フォールスバーグ・タイガー
ニクラス・タイガー

このセミナーでは、私のこれまでの心理職として歴史の中におけるSFとの出会いの重要性と、その後SFを応用して組織の中で働く人々にどのように役立つツールを工夫してきたか、その成果をお伝えしたいと思います。私のクライアント企業の皆さんはそれらのSFツールを活用することで満足度が上がり、自分たちもソリューションフォーカスを学びたいという意欲が高まってきています。このセミナーに参加してくださる皆さんにも私が開発した従業員満足度調査のためのSFツールを使う体験をしていただきます。

従来スウェーデンにおいては、目標達成マネジメントやシステマチックな職場環境整備はリスク査定に重点が置かれており、問題志向型でした。毎年従業員満足度調査、成長のための個人面談、品質向上の取組等が実施されますが、欠点にフォーカスしてしまうので、結果として何が起こるかというと、あきらめ感情の悪化、受け身姿勢の増長でした。全員を巻き込んでのいきいきとした職場づくりにはなかなかつながらないのが常でした。

スウェーデン労働環境法の基準を満たすためだけの仕事ではなく、SFを支援ツールとして 使用して人の強みを活かすためのシステマチックな職場環境づくりに移行していった軌跡を皆さんにお伝えしたいと思います。このワークショップの一つのハイライトは、問題志向的に心理職の仕事をしていた私が、ソリューションフォーカスを知ったことによっていかに飛躍を遂げたかです。それによって、大小様々な組織において職場環境を改善する実績をつくることができました。特に11,000人の職員を擁する地方行政組織での変化が光っています。過去5年間で、この大きな組織に私がコンサルタントとして関わってきて、色々なことがSF的にステップアップしてきた様子をお伝えします。

このセミナーでは、ソリューションフォーカスを活用することで、組織に所属する人々が積極的に関与する形でシステマチックな職場環境改善や目標達成マネジメントが向上してきた具体的事例を提供いたします。私が従業員満足度調査をいかに解決志向的に変化させる方向で開発してきたかの過程、そしてその後それをステップバイステップでフォローするワークショップをどう構成したかについてです。フォローアップ・ワークショップは職場のリーダーが進行しても、外部の専門家に依頼してもどちらでもいいように選択肢を用意しました。今回参加者の皆さんには、従業員満足度調査を実施した後のフォローアップ・ワークショップで行う実用的なワークを体験していただきます。私の夫であるニクラス・タイガーが経営するHi5においても、この手法がとても役に立ちました。彼にもその様子を証言してもらいながら、この事例を皆様にお伝えしようと思います。

実は私は小さい頃、父の仕事の関係で日本を訪れたことがあります。また柔術で黒帯をもらっていました。とてもいい思い出です。大人になって再び訪日することはとても楽しみです。日本に行くこと、そして皆さんとお会いすることは、今の私にとって何よりもワクワクすることです!

Pre3 葛藤をリソースに変容させるSF調停
マルコ・ロンザーニ

今回で3回連続のJ-SOL参加となりますマルコ・ロンザーニです。また日本の友人と再会したり、新しい友人をつくることができるのをとても楽しみにしています。

このプレセミナーは、J-SOL6の分科会で大変好評だった「解決志向SF調停」と同じ内容をベースにしています。SF調停では、皆さんが今までに体験したり聞いたことがあるかもしれない通常の調停とは大分違う方法を取ります。SF調停では、対立点の分析をしません。問題について話すのではなく、リソースと解決について話し合います。対立点について話す場合もありますが、それはリソースとして扱われる場合です。このやり方で調停をすると、対立点の扱い方が驚くほどシンプルかつ創造的になります。そして全ての関係当事者が最初から、望む未来の描写を一緒に創っていく過程に参加できます。

全員のニーズが満たされる状態というのは、関わる全ての人によってデザインされるスモールステップを実行することによって達成されます。これらのステップは、他者の視点、新しい観点、拡大された解決の可能性等を考慮することで生まれる態度や立ち位置の変化を反映するものになります。SF調停は短期調停と呼ばれることもあります。なぜなら望む成果がたった2,3回のセッションで実現することが多いからです。

この「SF調停」は、私が学んだいくつかの手法の中から、それらの良いところを組み合わせて創り上げたものです。その中に統合されているのは、スティーブ・ディシェーザーとインスー・キム・バーグが開発したソリューションフォーカストアプローチ、マーシャル・ローゼンバーグが開発したNVC (非暴力コミュニケーション)、マチアス・バルガ・フォンキベッドとインサ・スパラーのシステミック構造コンステレーション、そしてハーバード流交渉術の概念です。

提携会社間の葛藤、目標を共有している部署間の葛藤、同族経営会社における身内間の葛藤、子供の育て方に関する対立、その他人間社会のあらゆる葛藤や対立に関して、このSF調停法を応用することが可能です。このワークショップでは、解決志向(SF)調停がどのように機能するのか、そしてどのような効果があるのかをデモンストレーションでお示しした後で、参加者の皆さんにも体験していただけるワークを提供する予定です。

対立をSF的にうまくまとめる方法を知りたい方、現在抱えている対立問題への対応ヒントを得たい方、これから対立を調停する役割が増えてくる可能性があることに備えたいという方に是非おすすめです。

また日本の皆さんと一緒に学びを深めていくことを楽しみにしています!

マルコ・ロンザーニ Marco Ronzani(スイス)

マルコ・ロンザーニさんは、1954年イタリア生まれのスイス人で、コーチ、調停者、組織開発コンサルタントとして国際的に活躍しています。非暴力コミュニケーション (Marshall Rosenberg)、ソリューションフォーカス (Steve de Shazer, Insoo Kim Berg, e.a.) およびシステミック構築コンステレーション (Matthias Varga von Kibed, Insa Sparrer) を土台に据えて独自に発達させたユニークなスタイルでコーチング、調停およびコンサルティングを実施しています。

マルコさんは個人の習慣や態度、およびチームや組織における文化を集合的に変容させることを専門としており、国際的に活躍するソリューショニストのネットワークであるロンザーニカンパニーのオーナーです。クライアントによるマルコ評は、水平思考が得意で即興で思いついたことを発展させる天才。スイスのバーゼル大学卒、法学博士。
marco.ronzani@ronzani.ch